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大学入試数学から見る 正しい数学の理解方法 数Ⅲ 複素数平面編 その5
\(|z+w-1-i|\)の最大値は
\(|2(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} ) \cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}|\)の最大値であり、
このとき、\(\theta_{1}=\theta_{2}\)となる。
というのまでが、第4回のあらすじである。
このとき、\(z-1=w-i=\cos\theta_{1}+i \sin\theta_{1}\) であることも付け加えておこう。
今回は\(|z+w|^2\)の最大値を求めるという話なのだが、
前回までのあらすじにより、
\(z=1+\cos\theta_{1}+i \sin\theta_{1}\) かつ \(w=i+\cos\theta_{1}+i \sin\theta_{1}\)
はただちに言える。
よって、\(z+w=(1+2\cos\theta_{1})+i(1+2\sin\theta_{1})\) である。
したがって、
\(|z+w|^2\)
\(=(1+2\cos\theta_{1})^2+(1+2\sin\theta_{1})^2\)
\(=1+4\cos\theta_{1}+4\cos^2\theta_{1}+1+4\sin\theta_{1}+4\sin^2\theta_{1}\)
\(=6+4\sqrt{2}\sin(\theta_{1}+\frac{\pi}{4})\)
ここまでくればあとは何も解説はいらないだろう。
\(|z+w|^2\)の最大値は\(6+4\sqrt{2}\)であり、このとき\(\theta_{1}=\frac{\pi}{4}\)
結局この問題は何だったのかといえば、
複素数平面とそれに関する定義を延々と尋ねるだけの問題であった。
要するに、数学において一番大事なのは、定義の理解にほかならず、
複素数平面が難しいという言葉は全く持って意味不明なのである。
2020年7月28日火曜日
大学入試数学から見る 正しい数学の理解方法 数Ⅲ 複素数平面編 その4
\(z+w-1-i=2(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} ) \cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}\)
にたいして、
\(|z+w-1-i|\)の最大値を求めるというのだが、簡単すぎないだろうか?
要するに、\(|2(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} ) \cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}|\)
の最大値を求めることに他ならない。
なにしろ、\(|\alpha \beta |=|\alpha ||\beta |\) となることから、
\(|2(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} ) \cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}|\)
\(=2|(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} )|| \cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}|\)
と変形すれば、なんとなくオチが見えてくる。
\(|\cos \theta +i \sin \theta |=\sqrt{\cos^{2}\theta+\sin^{2}\theta}=1\)であるから、
\(|(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} )|=1\)
となって、
\(|z+w-1-i|=2|\cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}|\)
すなわち結局\(\cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}\)だけ真面目に考えればよいのだ。
これが最大となるとき、\(|\cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}|=1\)
であり、\(\frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}=0\)
となる。本来は、偏角の大きさから\(\pm k\pi\) ただし\(k\)は整数 としたうえで、上記の1つのみが解であることを示すのだが、今回は\(|k|=1\)さえ、\(\theta_{1}-\theta_{2}=2\pi\)となり、0以外はままならない。
もちろん、\(|z+w-1-i|\)の最大値は\(2\)だし、このとき、\(\theta_{1}=\theta_{2}\)
となる。ではこのときどうなるかといえば、
\(z-1=w-i=\cos\theta_{1}+i \sin\theta_{1}\)
もちろん、\(z-w=1-i\)はただちに言えよう。
結局、この問題は何を目的とした問題かわからずに終わりそうだが、
最後の最後、このときの\(|z+w|^2\)だけは骨がある問題である。
次回に続く。
2020年7月25日土曜日
大学入試数学から見る 正しい数学の理解方法 数Ⅲ 複素数平面編 その3
偏角とは何ぞや、というのが、前回のあらすじだったか。
偏角とは、ある点\(z\)と原点を結ぶ直線が実軸の正の方向となす角の大きさを表す単位である。
つまり、\(z\)の偏角はとりもなおさず、
\(z=r(\cos \theta + \sin \theta )\)を満たす角\(\theta\) に他ならない。
今回は、\(z-1\)の偏角を\(\theta _{1}\)としており、\(|z-1|=1\)であるから、
\(z-1=\cos \theta_{1} + \sin \theta_{1} \)
となる。
同様に、
\(w-i=\cos \theta_{2} + \sin \theta_{2} \)
は言うまでもあるまい。
東海大入試問題に戻れば、\(z+w-1-i\)を求めよなどとのたまうわけで、
単純に辺々を足し合わせて
\(z-1+w-i=\cos \theta_{1} + \sin \theta_{1} +\cos \theta_{2} + \sin \theta_{2} \)
と表されるわけだが、どうも、解答の形に合わない。
解答欄は
ウ\((\cos エ +i \sin エ ) \cos オ\)
の形であり、先ほどの解答では変形の必要性がありそうだ。
ちなみに答えから言えば、
\(z+w-1-i=2(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} ) \cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}\)
となり、和積の公式なる三角関数の公式を用いれば変形できる。これをちなみにで論ずる理由は、これは、今回の複素数平面とは関係のない話であって数学Ⅱの内容が分かっているかどうかに過ぎないからだ。和積や三角関数については別の機会にでも。
結果として、きれいな形で式を作れて、次には最大値の議論を始めるのだが、これも三角関数の理解に依存する部分が大きいため、次回に回そう。
今回は偏角とは、定義に当てはめるだけの単純なものであるというのがまとめだ。
2020年7月21日火曜日
大学入試数学から見る 正しい数学の理解方法 数Ⅲ 複素数平面編 その2
前回より続く。

さて、\(|w-i|=1\) を図示した結果だが、
となることを今さら説明する必要はないだろう。
\(i\) という点は原点から虚軸方向に1だけ進んだ点に他ならない。
そこから距離が1の点を集めろと言われれば、半径1の円を描くことになるのも必然だ。
では、早速、東海大学入試問題に取り組もう。
(1) \(z = w\) を満たす複素数を求める。
拍子抜けである。だって、図は完成しており、 \(z = w\) ということは、同時に満たす点、すなわち、2つの軌跡の共有点を求めるだけだ。
早速1つの複素数平面上に図示していくと、
…きれいな図をかくと、ここまで明確になろうとは…。
すなわち求める複素数は、
\(0\) と \(1+i\)
である。図から明らかだろう。
これで点がもらえるのだから、東海大学を受ける理系生徒は数学Ⅲを使う方がいいに決まっていると思うのだがなぁ・・・。
では、(2)にうつろう。
\(z-1\)の偏角を\(\theta _{1}\),\(w-1\)の偏角を\(\theta _{2}\)とおく。ただし,\((0≦\theta_{1}<2\pi) \),\((0≦\theta_{2}<2\pi) \)とする。
ところで、この場面における偏角とは何か、というのが次の問題になるのだろう。では、次回はそれで。
このブログをご覧の皆様は、偏角とは何かと思いをはせて更新をお待ちいただきたい。
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