偏角とは、ある点\(z\)と原点を結ぶ直線が実軸の正の方向となす角の大きさを表す単位である。
つまり、\(z\)の偏角はとりもなおさず、
\(z=r(\cos \theta + \sin \theta )\)を満たす角\(\theta\) に他ならない。
今回は、\(z-1\)の偏角を\(\theta _{1}\)としており、\(|z-1|=1\)であるから、
\(z-1=\cos \theta_{1} + \sin \theta_{1} \)
となる。
同様に、
\(w-i=\cos \theta_{2} + \sin \theta_{2} \)
は言うまでもあるまい。
東海大入試問題に戻れば、\(z+w-1-i\)を求めよなどとのたまうわけで、
単純に辺々を足し合わせて
\(z-1+w-i=\cos \theta_{1} + \sin \theta_{1} +\cos \theta_{2} + \sin \theta_{2} \)
と表されるわけだが、どうも、解答の形に合わない。
解答欄は
ウ\((\cos エ +i \sin エ ) \cos オ\)
の形であり、先ほどの解答では変形の必要性がありそうだ。
ちなみに答えから言えば、
\(z+w-1-i=2(\cos \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+i \sin \frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2} ) \cos \frac{\theta_{1}-\theta_{2}}{2}\)
となり、和積の公式なる三角関数の公式を用いれば変形できる。これをちなみにで論ずる理由は、これは、今回の複素数平面とは関係のない話であって数学Ⅱの内容が分かっているかどうかに過ぎないからだ。和積や三角関数については別の機会にでも。
結果として、きれいな形で式を作れて、次には最大値の議論を始めるのだが、これも三角関数の理解に依存する部分が大きいため、次回に回そう。
今回は偏角とは、定義に当てはめるだけの単純なものであるというのがまとめだ。
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