2020年7月19日日曜日

高校数学をリタイアした人のための数学 第0回~算数から数学へ  何が変わった?~

算数から数学へ  何が変わった?

40%→30

49%→35

いきなり,数から入ってしまって申し訳ない。これは,2019年度全国学力・学習状況調査という,日本全国色々な小・中学校で実施されているアンケートから抜粋した数だ。

①算数(数学)の勉強は好きですか。②算数(数学)の授業の内容はわかりますか。

の質問文に,『当てはまる』と回答した割合であり,

小学校6年→中学校3

の数字の移り変わりが表されている。

このことから,算数が好きな人は5人に2人くらいだが,好きかどうかは別として,半数の人は算数の授業内容がわかっているのだろうとわかる。ところが,数学になると,数学が好きな人は3人に1人いればいいほうで,数学がわかったと思えていない人が残りの2人ということになる。

すると,「算数は簡単だが,数学が難しい」というのが,たいていの日本人にとってのまとめになるのだろうか。

では,何がそこまで違うのだろうか。確かに,国語や社会・理科と違って,算数から数学へ名前が変わるのは間違いないが,今どきの小学校算数は,計算の中に文字が入ることもあるし,旅人算やつるかめ算など,とても難しい文章問題を解いている。実は,中学校数学で扱われている内容の30%くらいは小学校算数の知識を使って解いてしまうこともできる。一見すると違いなど全くない。 

なのに!だのに!数学ばかりが難しいと言われる。その理由がどこにあるのかを,筆者なり分析した結果,次の結論にたどり着いた。 

『数学はめんどうくさい』

これが,数学が嫌いで数学がわからない理由なのではないだろうか。めんどうくさいポイントは,

①何かと理由を聞かれる

②答えが出ただけではダメと言われる

③途中の過程をかけと脅される

④覚えること(教科書の太字)が多すぎる

と,ここら辺ではないだろうか。思い返せば小学校算数では,ひたすらドリルを解かされてはいたが,いちいち,めんどうなことを言われることもなかった。

数学になり途端に,めんどうくさい部分が増え,ワーク提出のたびに,途中の過程をかいていないからダメだの,答え写したからダメだの,ダメダメと言われてしまう。 

なぜ,数学の教師たちはあんなにめんどうだったのか。理由は簡単である。数学というのが非常にめんどうくさい科目だから。そして,そのめんどうくささこそ,数学と算数の最大の違いだと,かつて数学教師であり,大学が数学専攻であった筆者は思うのである。

少し自分語りになってしまうかもしれないが,お付き合い願いたい。その昔,某ゲームに『りかけいのおとこ』という敵キャラがいた。ブサイク+メガネ+オタクっぽい,という見た目の敵キャラは,間違いなく,ある種の理科系の大学生の印象を的確に表している。そう,筆者が感じたのは,自分自身が同じような見た目の理科系の大学生になったときだ。

中学校の数学教師には2通りのなり方がある。1つ目は,学校の教員を養成する大学に通ってそのまま教員になる方法。2つ目は理科系の大学に行き,必要な講義を受け,教員免許を取得する方法。筆者は後者であるが,たいてい,後者の場合は小学校の教員の資格は取れない。小学校の教員になるには,教員を養成する専門の大学に行くのが一般的だからだ。

 

という自分語りの結果,言いたかったことは,

小学校の先生は全員が教育の専門家だが,数学の教師の一部は理科系つまりオタク ということである。

オタクというのは,最近少しずつ市民権を得つつあるように思えるが,一言で言えば,めんどうくさい連中である。何かしらほかの人には伝わらないこだわりがあり,そのこだわりを無視されると早口で怒り出すのが,筆者のもつオタクのイメージだ。

 

すなわち,数学の授業・数学の先生の中には,何かしら独特のこだわりがあり,それを無視することを許してはくれないということになる。この前提のもと,先ほどのめんどうくさいポイントを振り返ると,

①何かと理由を聞かれる                                理由を大切にしている

②答えが出ただけではダメと言われる             正解よりも理解を重視している

③途中の過程をかけと脅される                       途中の過程に命を懸けている

④覚えること(教科書の太字)が多すぎる          知識を重視している

という,数学というめんどうくさい相手の地雷が見えてくるわけだ。つまり,算数のころは,(教えている先生が理科系でない可能性が高いため)一般の人々と同じ価値観のもと,答えを出すことに心血を注いでいたが,数学というオタクの価値観によって裁かれているうちに,数学が嫌いになってくる,というのが筆者の予想である。

では,数学が苦手なままでいいのかといわれると,ここは賛否両論あるだろう。だが,もしかしたら,今,改めて学びなおせば,数学が持っている価値観について知ることができるかもしれない,苦手でなくなるかもしれないと感じている人は少なくないと思っている。

では,筆者に出来ることは何だろうかと考えたとき,ものの試しに,筆者の考える数学のめんどうくさい価値観を文章にまとめてみてはどうだろうかと思い至った。 

ということで,筆者は数学のむつかしいと思われている色々な話を,一般的な価値観でも理解できるよう簡単な言葉に直していくというこの文章を書き始めたところである。

よろしければ,今後の文章にもお付き合い願いたい。

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